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タイトル:弓道技術論


もたれ(遅気)

はやけ(早気)の逆にあたる悪癖、「もたれ(遅気)」について原因と改善法を考えてみました。

原因1. 握り込み

技術的な原因として大きいと思われるのが、馬手が弦を握り込むことでしょう。
下の3枚の写真を見てください。

1番目は握り込んだ状態です。
弦を親指の根っこの関節にかけ、親指を脇正面方向に押し出すように力が入り、人差指と中指も親指をしっかり握っています。
人によっては手首から脇正面方向に押し出すようにして離れないようにしています。

これは「離れないように力を入れている」ことに他なりませんから、当然、離れませんね。
上記の悪い状態を解決するため、左写真の通り、
親指の先の関節に弦をかける方法があります。
これなら親指をはじくような小さな動作で離れが発動できます。
堅帽子では実際に親指先の関節に弦が引っかかるわけではありませんが、
弦に引かれてゆがけがずれるため、親指先の関節で弦を引く感覚になります。
もちろん人差指と中指に力が入ってはいけません。
3番目の写真は、親指を伸ばし、腕全体で弦をねじる力で、
親指の腹に弦をかける方法です。
離れは、指をはじいて鳴らす、または、親指を伸ばしながら人差指と中指を握るようにすると発動します。
ひねりは戻すように指導する人と戻さなくて良いと指導する人と両方います。

この方法は、元々、非常に離れやすいため、飛び出してしまうのを恐れて力が入ってしまう場合があります。
そうなると逆効果ですので、恐怖に打ち勝つ精神力を鍛えなくてはいけません。
それは弓道そのものですね。

原因2. 伸び合い不足

離れは伸び合いによって発動するわけですが、
これが不足、または、止まってしまって離れが出ない場合があると思います。

(1) 離れが怖くて離そうとしない場合がありますね。
的を外れるのが怖い、耳や頬をはらうのが怖いなど、理由は様々です。
耳や頬をはらう場合は、技術的指導を受け、巻藁など基本的な練習で原因を取り除くことが大切です。
精神的解決策は恐怖感に打ち勝つことですね。
先生、先輩、友人などの励ましも有効でしょうし、勇気の出るような物語や精神論の書籍などを読むことで抜け出すきっかけになることもあるでしょう。
(2) 左右のバランスが悪いという原因もあるのではないでしょうか。
馬手がしっかり引き込んでいるにもかかわらず、弓手の狙いが付いておらず、狙ううちに右肘の伸びる力が失せてしまう。
逆に弓手が狙いまで降りてきても馬手が引いている途中で、引いているうちに弓手の押しがなくなるなどです。
当然、解決策は「左右均等に引き分ける」ことですね。
(3) 伸び合いの感覚がつかめない場合もあるでしょう。
単純に初心者だからわからない場合や、力の入りすぎの場合、手先で引っ張ることと伸び合いの区別がつかない場合などです。
弓が強すぎたり弱すぎたりして、押し引きの加減が掴めず、関節が伸びきっていたり、疲れてしまったりする場合もあるでしょうね。
力を抜き、弓の力を感じ、弓の力に合わせた力で押し引きし、体の中心から左右上下に伸びていく感覚を掴みましょう。
(4) 呼吸がとまってしまうとうまく伸び合うことができないと言われます。
呼吸は静かにはきながら、丹田の気を充実させていくことと言われます。

原因3. ユガケの弦枕が深い

堅帽子のユガケの弦枕(弦を引っ掛ける溝)が深いとうまく離れられません。
これが原因でもたれになる場合もあります。
また、原因1のように馬手が握り込んでいると、徐々に弦枕が深くなります。
弦の仕掛けが細いと弦枕に食い込み安いです。

ユガケを修理に出すこと、しかけを太めにすること、馬手は握り込まないことです。

2002.01.06

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